未経験から、経理になった人って何を考えてどんな風に転職活動したんだろう…?

今回の記事では、新卒時代に100社以上お祈りされ「転職エージェント」になった私が「経理」に転職するまでの戦略を解説します。

何を考えてどのように行動し、大手企業の経理内定を得たのか?
この記事を読めば、こんなことがわかります!

簡単に結論を説明するとこんな感じ!

この基本を「きっちり」押さえて転職活動をしたところ、大手企業へ内定が得られました。


著者のプロフィールも、簡単に載せておきますね。

書いてる人のプロフィール(転職当時)
・名前:えみりー
・年齢:26歳
・学歴:国立大学(経済学部卒)※MARCHくらい
・仕事:転職エージェント1社経験(4年弱)

加えてポイントになるのは、「現役で国立大学に入ったけど、新卒採用でお祈りメールを100通以上もらった就活迷子」が書いているということ。

この記事では、未経験でも経理に転職できた戦略を、元転職エージェントの経験談をもとに解説します!

3つの戦略|転職エージェントの就活ノウハウをフル活用

前段で「新卒採用で100社以上落ちた私の経験」をお話しました。
こんな私だからこそ説明できる「就活の戦略」を解説しますね。

(きっと、この方法を知っていたら新卒でも納得のいく就活が出来たんじゃないかな…)

転職エージェント流|就活ノウハウ

■前提|会社組織での必須スキルは「協業して高い成果を出す」こと


基本的に押さえておくべきはこの3ポイントです。

元転職エージェント
元転職エージェント

その前に「重要な前提」から解説するね!

■前提|組織人としての必須スキルは「協業して高い成果を出す」こと

3つの戦略の前提にあるのは、何よりもまず「組織で働く」ということです。

言い換えれば、これは“土台”のようなもの。
ベースとなるスキルを持っていても、ここを履き違えてしまった回答をしてしまう方が意外と多いです。

その結果、採用側からは
「この人、組織人として向いていないのでは?」
と見られてしまい、内定につながらないケースが多くあります。

では、“組織で成果を出す”とはどういうことか。
それを一言で表すと、次のようなイメージです。

(個の能力 × 協調性)ⁿ = 組織の成果

個の能力がどれだけ高くても、協調性がなければ成果はマイナスになります。
逆に、協調性がいくら高くても、個の能力が伴わなければ成果は上がりません。

つまり、大きな成果を出すには「複数人で協力すること」が前提

元転職エージェント
元転職エージェント

だからこそ、面接や書類選考では「複数人で協業して成果を出したエピソード」が欠かせません。


さらに言えば、“初対面の人と協働して成果を出せた経験”も評価をぐっと引き上げる要素になります。

この前提をしっかり押さえたうえで、次の3つの戦略を組み立てていきます。

■戦略①自己分析|「自分の特性」を棚卸しする

自己分析では、まず「複数の人と協業して高い成果を出した経験」を中心にしたエピソードをピックアップ。

加えて、採用側の懸念である
「なぜ未経験から経理を志望するのか?」
「ミスマッチや早期離職に繋がらないか?」

という疑問を解消できるエピソードを追加!

元転職エージェント
元転職エージェント

採用担当が懸念するのは「早期離職」と「ミスマッチ」です。
この懸念を払拭するためのエピソードを用意しました!



具体的には、以下の3STEPに分けて行うとスムーズに進みます。

STEP1:社会人基礎力をベースに「自分の特性」を言語化する

自己分析の軸としてオススメなのは、経済産業省の提唱する「社会人基礎力」!
この3つの能力・12の要素をもとに、自分の特性を多角的に説明できるよう準備します。

特に、

  • チームでの協働
  • 役割分担
  • 他者への貢献

といった「チームワーク領域」はエピソードを厚めに、掘り下げて語れるようにしました。

「協調性」をベースにした経験は、採用側が懸念する

  • 「業務にキャッチアップできるかな?」
  • 「部内でうまく馴染んでくれるかな?」
  • 「波風を立てずに、お仕事してもらえそう?」


といった不安に対する安心感の裏づけになります。

STEP2:なぜ?の疑問に答える(営業から経理に転向の理由など)

特に私の場合「営業としてキャリアを積んできたのに、なぜ経理に転向するの?」といった、質問をされることは想像がつきました。

だからこそ「なぜ、その考えに至ったのか?」という疑問を解消出来るように話を整理しました。

具体的には、経理としてのキャリアに興味を持った経緯から「どのような点で経理適性があると考えたのか?」を棚卸しします。
加えて、過去の経験と結びつけて言語化することで一貫性を感じられるようにしました。

例)なぜ?の疑問を解消するための情報整理

営業(転職エージェント)から経理に転職する理由について、以下のように棚卸ししています。

  • 転職エージェントとして、求職者の代わりに企業分析を行い高評価だったこと
  • 企業分析を行っていくうちに、強い組織は「数字」が安定していることに気づいた
  • 上記の経緯から、ビジネスの結果をあらわす「経理」に興味をもったこと
  • 転職エージェントとして経理の業務内容や、やりがいなどの情報収集をしたこと
  • 情報収集の結果「経理適性」は「仕組み化」「構造化」「コミュニケーション力」といった力が求められること
  • 過去の経歴から、仕組み化で解決しようとしたエピソード
  • チームで成果を出す中で、どんな役割を担っていたのか

これらを通して、「自分が経理職に向いている理由」を明確にします。

面接官
面接官

「経理適性がありそう」だし「短期離職はしなさそう」だな‥


そんな「安心感がある説明」をすることに力を注ぎました。

STEP3:「早期離職」の懸念を解消するには「価値観の説明」が欠かせない

直近の思考だけでなく、成長の過程を通じて見ても、軸がぶれていないことを伝えます。

特に「未経験から経理」に転職するには企業側にとって「仕事を続けられるのか?」が懸念事項だという話は前段で書きました。

だからこそ「自分で決めた」ことに対しては、どんなにつらい状況でも「結果が出るまでやり続けた」エピソードをお話しています。

具体的には、現職・学生時代・幼少期といった時期ごとに

  • どのように考え、どのように行動してきたのか
  • どんな仲間と協力し、どのような成果を上げたのか
  • つらい状況でも結果が出るまでやり続けたこと

といったエピソードを整理していきます。

ポイントは以下の2つ

  • 「どんな環境でも」「そこそこの成果を上げた」ということ。
  • 幼少期から学生期、現職でも行ってきたという一貫性があること。

特別な成果を上げたわけではなく「そこそこの成果」を「どんな環境でも」やってきたことが「未経験だけど、粘り強く取り組んでくれそうだ」という評価につながりました。

このように「時間軸と行動ベース」で語ることで、一貫性と説得力があるエピソードになります。

番外編:感情の変化をエッセンスに加えて「深み」を出す

自己理解を深めるうえで、感情の変化を丁寧に見ていくことも行いました。
理由は「自分らしさ」を表現するための部分だから。

元転職エージェント
元転職エージェント

特に最終面接では「人となり」を見られることが多いよ!
説明できるようにしておこう!

感情 × 人となり の棚卸し
  • どんなときに悲しさやいらだちを感じたのか
  • 何に喜びや充実感を覚えたのか
  • その背景から、自分はどういう人間性だと言えるのか?

こうした感情をたどることで、自分がパフォーマンスを発揮できる「環境の共通項」が明確になります。

感情の変化をたどることで「その人が何に心を動かされるのか?」という人間性や自分らしさに深みが出ます。

自己分析とは「個の能力 × 協調性」の掛け合わせが、企業の求めるニーズと合致するか?を表現していく作業。

この積み重ねで、応募先企業を絞り込むカギを作りました。

■戦略②企業分析|「自分の特性」に近い事業を行っている会社を調べて、面接で情報を仕入れる

ここからは戦略① の「自己分析」に基づいて「自分の特性」に近い会社を調べるフェーズに入ります。

元転職エージェント
元転職エージェント

「自分の特性」と「企業特性」の一致が「志望動機」につながるよ!

私の特性(ざっくり)

  • 朝7時〜夜23時まで「お客さま」のために働けるガッツがある
  • 「相手に価値を提供し、その対価として報酬を得たい」
  • 目的のためには「手段を選ばない」ことは避けたい
    (プロセスの倫理観)
  • 「相手を騙して、私だけがトクをする」のは好きじゃない

次に、「私の特性」を眺めてみて
「どんな人と一緒に働きたいかな?」と思いを巡らせます。
そして「そういった人たち」がたくさんいそうな業界や会社を受けていきました。

この章では3つのステップに分けて「自分の特性」に合う業界や、組織文化の見つけ方について説明します。

STEP1:自分の特性に合う業界・組織文化を見つける

自己分析に基づいて「どんな人達と一緒に働きたいか?」つまり
「どのようなタイプの人が多い環境であれば、自分は力を発揮できるか」を考えます。

たとえば私の場合、次のような傾向がありました。

  • 「公共性」「公益性」の高い環境に安心感を覚える
  • 一定のルールの中で、地道に成果を積み上げていくことが好き
  • 業務の構造化や、パターン化が好き
  • 0から覚えていく仕事が多いとパンクしがち

この自己理解から得たことは
「公務員的な気質を持つ環境」「業界の変化が起きにくい環境」が向いているのでは?という仮説。

まずは、それに近い業界・企業を中心にリサーチを進めました。

STEP2:業界地図で「利益の仕組み」を把握する

次は「公務員的な気質を持つ環境」や「業界変化の起きにくい環境」に属する会社の探し方です。
一般的な「公務員」や「インフラ業界」といったイメージも大事ですが、広い視点で探すには「業界地図」が最も役立ちました。

これを活用すると、各業界の各会社がどのような市場環境の中で成り立っているかを把握できます。


(どんな市場環境で成り立ってるのか?を知ることは、社風と直結します!)

競合他社が多い環境や、新しい業界では目まぐるしく状況が変わります。
そのため状況変化に合わせて、常に新しい知識をアップデートし続けたり、今ある枠組みの中から「どうすれば新しいビジネスに活かせるか?」という柔軟性が必要になります。

こういった環境は「業界の変化が起きにくい環境」からは異なるので、応募先から外していきました。

さらに一歩踏み込んで、
「もうけの仕組み」=その会社がどのように価値を生み出しているかを確認します。

もうけの仕組みを知ることで、

  • どのような活動が評価されるのか
  • どの部署が収益に直結しているのか
  • 収益発生部署と経理部とのパワーバランスはどうか

といったイメージが付くようになります。

経理を志望する場合は、こうした「お金の流れ」を理解しておくことが必須。
面接での会話でも、より具体的な現場とのやり取りを聞くきっかけが掴めますよ。

STEP3:面接で「現場のリアル」を仕入れる

企業分析の仕上げは、面接での情報収集です。
対面面接の場合は、最後に「オフィス見学をお願いする」のがオススメ!
オフィス見学は「収益部門」と「配属先」両方を見られるのがベスト。

元転職エージェント
元転職エージェント

特に「経理」は収益部門とのコミュニケーションが多い部署!
一緒に働く同僚でもあるよ!



職場の雰囲気やコミュニケーションの様子から、組織文化を直感的に感じ取ることができます。

また、最近多いWEB面接の場合には、「質問」しかできないというケースもあるかも知れません。

その際の質問の方向性は、超重要です。
「相手の立場」によって変えて、知りたい情報を手に入れましょう。

人事担当者への質問例

人事へは社風全体から言える「どんな人を採用しているか?」をエピソードベースで聞きましょう。
また、人事の役職者であれば「どのような人物が活躍しているか」を尋ねるのもオススメ。

  • 中途入社者が活躍するまでの期間と、その理由
  • 異動や配置転換がある場合、どのような人が適応できているか
  • 社風・チームの雰囲気をどのように表現できるか
  • 入社後に評価されやすい行動や姿勢はどんなものか


特に、部署異動が発生しうる会社では、どんな人が異動後も成果を出しているのかを確認するのがポイント。
また、「採用において最も重視している点」を質問すると、評価基準の核心をつかめます。

配属先の面接官への質問例

配属先の面接官なら「部署の状況」について、過去・現在・未来の3つの時間軸で質問していきます。

  • 成果の高い社員の共通点を具体的に教えてもらう
  • 評価基準について
  • チーム運営で大切にしている価値観や方針
  • 現場で重視している課題や改善テーマ
  • (特に、担当予定の業務に関わる)事業の現状と、今後の方向性・展望
  • 部署間の連携体制や、情報共有の方法について
  • 今後、部門に期待している役割や貢献内容


最後の戦略は「超重要」な選考対策についてです!

■戦略③選考対策|複数エージェントを頼る「1社だけは要注意!」

エージェントと連絡を取るのが面倒だから、使うのは1社だけにしよう…

転職活動にエージェントを使うの、ちょっと怖いなぁ…


という方がたくさんいます。

元転職エージェント
元転職エージェント

それ、「正直オススメできない方法」なんです…。。



理由は「客観性が失われる」から。
詳しい内容は後述しますが、

エージェント1社だけに絞って応募をすると、こんなことが起こります。

  • 必要な情報が手に入らない
  • 入社後のミスマッチが生じやすい
  • 年収が下がってしまう懸念

一方で、エージェントを3〜4社使うことで得られるメリットはこれ!

  • 書類の完成度が高まる
  • 会社ごとにリバイスでき、選考通過率UP
  • 内定時に良い情報/悪い情報を揃えたうえで、冷静に判断する

私が選考に進んだ際にも、大手、中小・特化型と複数のエージェントを使って情報収集し、選考に臨んでいます。

STEP1: 「エージェント1社だけ」で選考を進めるのはおすすめできない理由


転職活動を「自分だけ」で進めるのは、正直おすすめできません。
理由は、客観性が失われるからです。

客観性がない=分かりづらい=コミュニケーション力(説明力)が低いと判断される…。
これは面接において致命的です

さらに、誰かに相談すれば解決できることを「誰にも相談しない」というのは、
行動しないことを選択したと見なされます。
採用担当者からは「主体性に欠ける人」と評価されかねません。

選考で大切なのは、「説明を簡潔に」「分かりやすく伝える」こと。
そのためにも、他者の視点で内容を磨き、客観性を担保することが何より重要です。

元転職エージェント
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「転職エージェントに相談」が客観性を得る最短ルートなんです!

でも、どのエージェントを使ったら良いか分からないよ…

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STEP2: 「客観性」「伝わりやすさ」「印象」は人が決める

面接で評価される「伝わりやすさ」や「印象の良さ」は、
自分ではなく相手がどう感じるかによって決まります。

だからこそ、複数人からのフィードバックを受けることが大切。

積極的にエージェントや第三者から文章の分かりづらさや、表現のダメ出しをもらいましょう。
言葉の選び方・構成・伝え方を改善でき、自己PRの精度が一気に高まります。

STEP3: 複数のエージェントを活用して、良い情報・悪い情報を集める

選考対策を進めるうえで、複数の転職エージェントを利用することを強くおすすめします。

目安は3〜4社
大手・中小・特化型のエージェントを組み合わせるのが理想です。

理由は明確!
エージェントは企業から報酬を得る仕組みのため、
応募先企業に不利な情報(ネガティブ情報)は基本的に開示しないからです。

エージェントは「企業に人材を紹介し、入社が決まることで収益を得る」ビジネスモデル。
つまり、企業にとって好ましい情報を中心に伝える傾向があります。

だからこそ、複数のエージェントに登録し、選考の進捗状況を共有することが大切です。
情報を照らし合わせることで、ポジティブ・ネガティブ両面のリアルな情報が得られ、
ミスマッチを防ぐことにつながります。

元転職エージェント
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自分に合う「エージェント」探しても門前払いになる…って不安もあるよね。
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まとめ!転職エージェント流【就活3つの戦略】

最後にまとめです!
転職エージェントだから、特別な転職活動をしているわけではありません。
ただし絶対に押さえる必要がある場所を、しっかりと押さえていく。

転職でおさえる3STEP

(個の能力 × 協調性)ⁿ = 高い成果 を前提に、
協調性・人間性のエピソードとスキルについて説明する。

元転職エージェント
元転職エージェント

図解すると、こんな感じ!
重なりが多いことを「エピソード」で説明します


この部分を見誤らない限り、未経験から経理を目指すことは可能です。

また、選考過程で痛感したのは「組織の一員として成果を出す力」(つまり(個の能力 × 協調性))が最も重視されるということでした。

経理は数字を扱う仕事であると同時に、他部署と協力しながら全体最適を目指す職種。
だからこそ、個人プレーではなく「協業して成果を出す」姿勢が求められます。

これを踏まえて進めた3つの戦略「自己分析・企業分析・選考対策」が内定につながりました。

そのうえで、第二新卒からの未経験転職で求められるのは、自分を客観的に理解し、チームで成果を出す姿勢を見せること

元転職エージェント
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客観的な自己理解のためには「他者視点」が大事!

エージェントは「他者視点」を得られる強いパートナーになるから、自分にあったエージェントと一緒に転職活動を進めましょう!

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この記事がお役に立てれば幸いです!

ABOUT ME
著者|元転職エージェント・えみりー
未経験・無資格から経理職へ! 元転職エージェントの視点で、求人票の読み解き方や「ここだけの話」、面接・書類対策を発信しています。