企業分析

転職活動=営業活動ってどういうこと?

記事内に商品プロモーションを含む場合があります


1. 転職活動がうまくいかない理由は“営業視点”の欠如かも?

転職活動というと、「求人に応募して、書類を出して、面接に行って…」と受け身なイメージを持っている方が多いかもしれません。ですが、これを“営業活動”として捉えると、見える景色がまったく変わってきます。

営業とは、
「お客様に自社の商品・サービスの魅力を伝え、買ってもらう」仕事。

実は、転職活動も同じ。
あなたという“商品”を企業という“お客様”に提案し、
採用という“契約”を取る活動とも言えます。

だからこそ、「私は営業マンだ」と思って取り組むことが、選考突破のカギになります。

今回は、そのマインドや転職活動における営業って一体何をすればいいの?
という中身まで全体を網羅して解説しますね🌸


2. 営業活動ってそもそも何?

「営業」と聞くと、「ノルマが厳しい」「押し売りされそう」といったネガティブなイメージを持つ方も少なくありません。
ですが、実際の営業はもっと戦略的で論理的な仕事です。

営業の基本的な流れは、主に以下の3ステップに分かれます:

  • 顧客のニーズ(課題)を理解する
  • そのニーズに合った商品・サービスを提案する
  • 納得してもらい、契約に結びつける

そしてこの流れ、実は転職活動にもそのまま当てはまるんです。

■ 営業のステップと転職活動の対応関係

🔹 顧客のニーズ(課題)を理解する
→ 求人票や企業情報を読み込み、企業が求めている「役割」「経験」「スキル」を正確に把握する。

🔹 そのニーズに合った商品・サービスを提案する
→ 自分のスキル・経験の中から、相手のニーズに合致する部分を選び、職務経歴書や履歴書に具体的に落とし込む。

🔹 納得してもらい、契約に結びつける
→ 面接(=商談)の場で、実績や強みをわかりやすく伝える。
  また、離職理由や転職理由などのネガティブな要素についても、納得感のある説明を用意する。

どうでしょう?
営業活動で求められるアプローチと、転職活動で必要な動きが、驚くほど似ていることがわかるかと思います。

次の章では、こうした「営業視点」を実際の転職ステップにどう活かしていくのか、具体的に見ていきましょう。


3. 自分を「商品」として捉えてみよう

営業では、自社の商品を誰にどう届けるかが重要になります。
転職活動でも、あなた自身の経験・スキル・価値観を“商品”として捉えてみましょう。

  • スキルや実績 → 商品のスペック
  • 強みや得意分野 → 他社(他候補者)との違い
  • 自己PR・志望動機 → 商品のキャッチコピー・売り文句
  • 職務経歴書や履歴書 → 商品カタログや提案書
  • 面接 → プレゼンの場

このように考えると、「どうアピールすれば刺さるのか?」という視点が自然と出てきます。

例えば、自分の「商品スペック」になるスキルや実績。
華々しい数字として記載できればいいのですが、営業でもない限りなかなか数字で語ることは難しいですよね。
それでも、探せば何かあるはず。

例えば、こんな内容も実績に加わります。

私がプロジェクトに参画する前、○○という課題が存在していました。
この点について上司や関係者に確認したところ、○○という理由から、これまで具体的な対策が講じられていないことがわかりました。

そこで私は、関係者に対して○○という働きかけを行い、事前の調整を通じて合意形成を図りました。その結果、課題に対する対応方針が固まり、実行に移すことができました。

この取り組みによって、課題解決前には○○時間かかっていた業務工数が○○時間にまで短縮され、部内全体の残業時間を○○%削減することに成功しました。

この成果が上司から高く評価され、現在は○○に関する対応について正式に任命を受け、さらなる改善活動を推進しております。

サンプルの記載内容のため具体的な業務内容や、時間数は記載されてはいませんが
この内容だけで以下のことがわかります。

  • 課題を発見した際には、上司に対して事前に確認・相談を行い、適切な報連相を実施
  • 関係者に対して働きかけを行い、事前調整を通じて合意形成を図る人間力
  • Before / After での変化を定量的に可視化し、具体的な成果として実績を提示
  • 課題解決により、工数削減・残業時間削減などの成果を達成
  • 取り組みが上司から評価され、追加業務を任されるなど信頼を獲得
  • 主体性を持って業務に取り組み、周囲と連携しながら継続的に成果を出す姿勢がある

このエピソードを面接で語るために、職務経歴書を通じて「実績の概要」を求人票に即した形に記載していくイメージです。

そのために必要なのは、「求人票」の内容を丁寧に読み解き、それに合わせて職務経歴書に記載する実績の概要をどう表現するかを考えることです。
何を強調し、何を削ぎ落とすべきか──その取捨選択が、採用担当者に刺さる職務経歴書を作るカギになります。

それでは次に、いよいよ「求人票の読み解き」フェーズに進んでいきましょう!


4. 企業=お客様。ニーズを掴まなきゃ始まらない

営業マンが成果を上げるためには、相手のニーズや課題を深く理解することが不可欠です。
これは転職活動においても同様で、企業が抱える「課題」や「求める人物像」を正確に読み解くことが成功のカギとなります。

求人票の記載内容だけに頼らず、企業の公式サイト、ニュースリリース、IR資料、社員インタビューなど複数の情報源から、「なぜこのポジションが今、必要なのか?」を多角的に捉えてみましょう。

そのうえで、「御社が抱える〇〇という課題に対して、私の〇〇という経験・スキルが貢献できます」といった提案型の自己PRができると、採用担当者に刺さる可能性はぐっと高まります。

例)「建設業界(クレーンリース業)の会社で経理職のメンバーが6ヶ月後に欠員になる」というケース

なお、応募者は建設業界での直接的な実務経験はないものの、会計事務所にて一般的な決算対応や固定資産管理、そしてリース契約に関する会計処理には主担当者として携わった経験があると想定します。

そんな場合に刺さる提案型の自己PRはこのようなイメージです。

これまで会計事務所において経理業務全般を担当しており、特に固定資産管理・決算対応に強みを持っています。
また、他業界にはなりますが、リース契約の処理にも主担当として携わってきた経験があり、特有の勘定科目や会計処理にも柔軟に対応可能です。

今回、6ヶ月後の欠員を見越したご募集と伺っておりますが、現在は現職中につき入社時期は未定です。ただし、過去の社内実績や周囲からの情報によれば、概ね3ヶ月以内での円満な退職・引き継ぎが可能と見込んでおります

引き継ぎ期間が確保できるのであれば、現任者の方との連携を密に行いながら、業務の精度と継続性を確保しつつスムーズに業務へ移行できる体制づくりに貢献したいと考えております。

将来的には、これまでの経験を活かして業務効率化や後進の育成にも取り組み、経理部門の安定運営に幅広く寄与していきたいと考えております。

なぜ、この自己PRとしたのかを解説しますね。

【課題の仮説を立てる】

上記の募集背景を見て、まずは課題の仮説を立てていきます。
様々な事態は想定されますが、確実に押さえておきたいポイントは以下の2つ。

  • 「6ヶ月後にメンバーが欠員になる」ということは、今いる担当者の退職や異動が見えており、引き継ぎ期間を確保してスムーズに業務を移行させたいという意図があるはず。
  • 加えて、建設業・リース業特有の長期契約・管理工数の多さ・会計処理の複雑さなど、専門性のある経理が必要と想定される。

そのため、事業内容や企業のニーズを踏まえたうえで、自分の持っているスキルの中で、どの部分が特に企業に響くのかを検討した結果、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 現職は閑散期であり、過去の退職者からの話によれば3ヶ月以内に退職することが可能そうであること
  • 現職は会計事務所であり、業務の一環としてリース業に携わった経験があることから、即戦力として活かせることができるのではないか?と考えたこと

このようにして、企業が抱える課題の中でも特にクリティカルなポイントを見極め、
「自分を採用すれば、どのようにその課題を解決できるのか?」をわかりやすく伝えることが重要です。

そのうえで、採用担当者に**「この人に一度会ってみたい」**と思ってもらえるような構成に仕上げていきます。

これが、自己PRの記載方法です🌸


5. 営業と同じく「PDCA」が大切

一度でうまくいく営業なんて、ほとんどありません。提案を断られたら原因を分析し、改善して次に活かす。これが営業の基本です。

転職活動も同じです。

  • 書類が通らない
    → アピール内容がズレていないか?
  • 面接で落ちる
    → 伝え方が一方的になっていないか?
    → 相手の前提と、自己の前提が揃っているか?
  • なぜ受かったのか
    → どの部分が評価されたのか?

応募や面接を“こなす”だけで終わらせず、毎回フィードバックをもとに改善を重ねましょう。すると、少しずつ企業分析力が向上し、職務経歴書でアピールする内容の精度も上がっていきます。


6. まとめ:あなたも「営業マン」になってみよう

転職活動を「営業活動」として捉えると、戦い方が見えてきます。

✔ 自分の価値を見極め、整理する
✔ 相手(企業)のニーズを理解する
✔ そのギャップを埋めるように提案する

あなたという商品には、必ず必要としてくれる企業があります。
その企業に、「この人がほしい」と思ってもらえるような提案(=アピール)をしていきましょう。

営業マンとして、あなたの「内定」という契約を勝ち取りに行ってください!

元転職エージェント

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著者|元転職エージェント・えみりー
著者|元転職エージェント・えみりー
未経験・無資格から経理職へ! 元転職エージェントの視点で、求人票の読み解き方や「ここだけの話」、面接・書類対策を発信しています。

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