自己分析

元エージェントが教える|30代・未経験職種の転職を失敗しないコツ!未経験転職は「無理」じゃない

元転職エージェントのえみりーです。
「転職したい。でも、30代で未経験って…やっぱり無謀かな?」
こんな風に、ふと立ち止まってしまうこと、ありませんか?

今は「未経験から◯◯職へ!」という情報がネットやSNSで溢れていますよね。
確かに、職種転向して経験を積めば、現職の年収を軽く100万円、200万円と超えていく――
そんな未来も夢ではないかもしれません。

でも、それは“うまくいけば”の話。

実際には、「思っていたのと違った…」と半年以内に退職してしまう人も少なくありません。

この記事では、30代未経験転職の“現実”と“対策”について、元転職エージェントかつ自分も未経験から経理職へ転職した経験を交えながらお伝えします。

転職に大失敗して、致命傷になることを少しでも減らせるように、
30代未経験職種での転職を希望される方はぜひ読んでいってくださいね!


20代と30代の転職は「戦略が全く違う」と心得て!

20代は「ポテンシャル採用」の時期。
20代後半であっても企業は「ゼロから育てよう」という気持ちで迎えてくれます。
まさに“第二新卒”という特権がある時期ですね。
だからこそ、ポイントになるのは以下の3つ

20代中途採用の評価ポイント

  • 人となり(価値観・社風との調和)
    • 組織が大切にする価値観や文化に、自身の行動や判断基準がどれほど自然に馴染むか
    • 変化の速さや慎重さ、成果への姿勢など、環境に応じてバランスを取れるか
  • 実績から見える人柄(行動の軌跡)
    • キャリアの歩みの中で、期待される役割に応じた成果を積んできたか
    • 成果の裏側にある責任感・柔軟性・主体性といった人間性がどのように現れているか
  • 努力できる人物か(成長への姿勢)
    • 新しい環境や課題に直面したとき、自ら課題を見出し、挑戦し続ける力があるか
    • 学習や自己研鑽を通じて、持続的に成長しようとする意欲があるか

    といったポイントが重視されます。

    一方で、30代は採用の目線がガラッと変わります
    30代のビジネスパーソンに企業が求めるのは「即戦力」

    つまり20代の未経験採用における評価ポイントに加えて、現職で培ってきたポータブルスキルがどのように活かせるのかをアピールする必要があります。

    30代中途採用の評価ポイント

    • 人となり(価値観・社風との調和)
      • これまでの社会人経験を活かしつつ、新しい文化や価値観に柔軟に適応できるか
      • 過去の経験に固執せず、周囲と調和しながら成果を出せるか
    • 実績から見える人柄(行動の軌跡)
      • 異業種で培った経験を、新しい職場にどう転用できるか
      • 年齢に応じた責任ある役割(リーダー経験やプロジェクト推進)の有無が評価対象
    • 努力できる人物か(成長への姿勢)
      • 自律的に課題を見出し、短期間でキャッチアップする力があるか
      • 成長意欲だけでなく、学びを成果に直結させる力を示せるか


    また、30代未経験での転職では上記以外に、向き合うべき現実があります。

    30代未経験での転職で向き合う「壁」4つ【年収・ハードワーク・自己投資の時間・心理的ハードル】に耐えられるか?

    30代で未経験職種への転職を希望する際には「どれだけポータブルスキルを持っているか?」によりハードルは大きく異なります。

    例えば、現在公務員で主任クラス、簿記2級を取得していて経理業務が未経験の場合には、このような壁が存在します。

    1. 年収ダウンの可能性

    • 公務員の主任クラス(年収450〜500万円想定)から転職すると、経理未経験枠は年収300〜350万円台に下がるケースが多い
    • 「管理職手当」「安定的な昇給制度」がなくなり、初期の待遇面でギャップを感じやすい
    • 特に30代での転職は「若手ポテンシャル枠」にも「即戦力枠」にも入りにくく、給与水準が中途半端に低くなるリスクがある

    2. ハードな数年間

    • 年下上司からのフィードバックに耐える必要がある
      • 公務員として部下を指導する立場から、民間企業では年下の経理主任に指導される立場になる
    • 簿記2級を持っていても、実務経験がゼロであれば「仕訳入力」「経費精算」「請求書処理」といった基礎業務からスタート
    • 決算や税務申告などの上流業務を任されるまでには、3〜5年の下積みが必要

    3. 自己投資の時間が必要

    • 公務員時代の経験が直接転用しにくいため、勤務時間外に勉強を重ねる覚悟が必要
    • 例:簿記2級取得後も実務上で使用する仕訳の切り方や「会計ソフトの実務練習」などを自学自習
    • 場合によっては、業務8時間+勉強3〜4時間=1日12時間以上を数年間続ける生活になる
    • この自己投資を継続できるかどうかが、30代未経験からキャッチアップできるかの分水嶺になる

    4. 心理的なギャップ

    • 公務員時代は「安定・手厚い福利厚生」が前提だったが、民間は成果や効率を重視
    • 「手を挙げて自分から仕事を取りに行く」姿勢がないと評価されにくい
    • これまでの肩書(主任)や資格(簿記2級)に依存すると、「思ったより評価されない」とギャップを感じやすい

    まとめると、このケースでは 「待遇面のダウン」「プライドの試練」「長期的な学びの継続」 が最大の壁になります。

    元転職エージェント
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    また、これまでの職種で培ってきた経験や評価が、転職によってほぼリセットされる可能性があります。


    これまで築いてきたキャリアの延長線上にある「昇進」「給与水準」「専門性」といった積み上げは、一度ゼロに戻されるため、キャリアの断絶が発生しかねません。

    つまり、転職先では年下社員と同じスタートラインに立ち、これまでの地位や役職に関わらず、一から信頼を積み重ね直す覚悟が求められます。

    そして何より、この選択は 「もう後戻りができない」 性質を持ちます。元の業界に戻ろうとしても、ブランクや年齢の壁が立ちはだかり、以前と同じ条件での再雇用は難しいのが現実です。

    したがって、未経験転職を決断する際には、

    これらを前提に、腹を括った選択をする必要があります。

    こうした状況を「思ってた以上に大変だった」と感じ、
    半年後には――

    「やっぱり前の職場に戻りたい…」
    「思っていたのと違った…」

    と退職してしまうケースも少なくありません。

    ただ、誤解しないでほしいのは、
    誰しも“何も考えずに”転職したわけではない、ということ。

    多くの人は事前に覚悟していたんです。

    それでも、実際に飛び込んでみると想像以上に現実は厳しかった――というのが本音なのです。

    「短期離職者」の共通点は「内定の高揚感」からくる「情報収集不足」

    ご参考までに、私が出会った中で、転職後1年以内の離職が多い方のケースをご紹介しますね。
    全てに共通して言えることは「情報収集」が不足していたことによるものです。

    1. 条件や環境を細かく確認しないまま転職してしまったケース

    Cさんは「ワークライフバランスを整えたい」という思いから、残業が少ないと聞いた企業に転職しました。

    しかし実際に入社してみると、業務の属人化が進んでおり、引き継ぎも不十分。
    しかも「残業が少ない」というのは全社平均の内容で、所属部署は残業時間は「個人の力量」による環境でした。

    結果的に、未経験で入社したCさん一人に業務が集中し、終電近くまで働く日が続きました。また、リモート可と記載されていたものの、実際は「上司の許可があれば」という条件付き。
    事前に確認を怠っていたことで、理想と現実のギャップに苦しみ、半年も経たずに退職。転職時に「聞きづらいことこそ確認する」重要性を痛感する結果となりました。

    2. 新しい働き方への覚悟が足りなかったケース

    リモートワーク中心のベンチャー企業に転職したBさんは、「柔軟な働き方ができそう」と期待して入社しました。
    しかし実際には、業務の進め方が自律型で、常に自分で課題を設定し、上司に相談するタイミングや報告の粒度も自分で判断する必要がありました。前職で、明確な指示や手厚いフォローを前提にしていたBさんは、徐々に不安と孤独を感じ、やがてモチベーションを失ってしまいます。
    結果として、入社後2ヶ月で早期離職。自由な働き方の裏にある「自己管理」や「自走力」の重要性を見落としていたことが原因でした。

    3.難関資格を取得したゆえに「できる人」扱いされて、全く実務についていけないケース

    難関資格を取得したAさんは、未経験から大手企業の経理部に配属されました。

    周囲からは「資格を持っている=即戦力」と期待され、初日から複雑な業務を任されることに。ところが実務経験がないため、用語や業務フローが理解できず、質問するのも気が引けてしまいました。
    周囲も「できるはず」と思い込んでいるためサポートも少なく、次第にプレッシャーと自己否定感が強まり、わずか3ヶ月で退職。
    実務未経験であることを前提にした教育環境の不足が、離職の大きな原因となりました。

    全てのケースは、決して能力がなかったわけではありません
    むしろ「能力がある」からこそ、未経験でも内定が出たのです。

    ですが、十分な情報収集や環境確認をしないまま、新しい環境に飛び込んでしまった――。
    それが早期離職の大きな原因になっていました。


    30代未経験転職を成功させる“4つの質問”

    もし今、あなたが30代で未経験職種への入社を考えているなら、
    この4つの質問について、自分自身と静かに向き合いながら考えてみてください。

    1. 収入や働き方の変化を数字で想像できていますか?

    たとえば――収入が100万円下がる。
    残業が月20時間増える。
    さらに業務時間外の自己学習が月20時間増える。

    そんな生活を数年続けたとしても、自分の体力、家計や時間のやりくりは本当に回せますか?

    2. 激務の数年間を本当に乗り越えたいと思えますか?

    たとえば――残業時間は現職の1.5倍。
    場合によっては大幅な年収ダウンにより、手取り給与は20%減少する・・・
    そんな生活を5年間。
    忙しさに追われながら働き続けることになっても、
    「それでも挑戦したい」と思えるでしょうか?

    3. 今の肩書きや評価を、潔く手放せますか?

    現職での評価は、単に「活躍している」だけではありません。
    部下や同僚に頼られたり、感謝されたり――
    そうした日常の会話や空気感も、これまでの実績あってこそ。
    未経験からの挑戦は、慣れない環境で一人立ち向かう日々です。
    その変化を、やり切る覚悟はありますか?

    4. 家族や周りの支えはありますか?

    この①〜③を乗り越えるには、家族やパートナーの理解と協力が不可欠です。
    時には投げ出したくなる日もあるし、子どもと過ごす時間が減ることもあります。
    それでも「やりたい」と思える仕事でしょうか?


    もし、どれか1つでも答えに迷うなら――
    今は立ち止まって、準備や情報収集にもう少し時間をかけても遅くはありません。

    30代の未経験転職なら、勢いより“戦略”と“環境調整”を重視して!

    30代の未経験転職は、勢いだけでは厳しい世界です。
    だからこそ、焦らずに「自分が勝てる土俵」を見つけてほしい。

    やりたいことにまっすぐ行くのも素敵ですが、
    今までの経験をちょっと“角度を変えて”活かす道もあります。
    その方が、意外と近道になることも多いんです。

    あなたが安心して新しい一歩を踏み出せるよう、
    今日も小さな準備から始めていきましょう🌸

    元転職エージェント

    転職で失敗する方を減らしたい!

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    著者|元転職エージェント・えみりー
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