勢いに任せて転職活動を始めた初心者が、結局以下のような「転職迷子」になってしまうケースは非常に多いです。
- 書類選考が、ぜんぜん通過しない・・・
- 転職エージェントに対策してもらってるのに、面接で全落ちすることが多い
- この会社に内定を受諾して、本当に良かったんだっけ…
私は元転職エージェントのえみりーです。経営者や人事責任者400名以上と対話した経験を活かし、未経験から就職偏差値70以上の企業への転職を実現しました。
一方で、新卒時代は書類も通らず、面接も100社以上お見送りになるなど苦い経験もしてきました。
そんな私だからこそ伝えられる、「書類選考に通過し」「面接もスムーズに進み」「内定後も納得して意思決定できる」という魔法のような転職活動の進め方を、本記事でご紹介します。
実は、「迷いにくい、ぶれにくい、カンタンな」転職の進め方はあります。
10ステップでわかりやすく説明します!
はじめに:このガイドの使い方

目的は「最短ルートで第一志望軍の会社から内定を得て、納得したキャリアを形成すること」です。
目的を達成するため、無駄な行動をしないように以下の流れを押さえてください。
- 自己分析(軸を定める)
- 職務経歴書の作成(タタキでOK)
- 中小エージェントに登録
(模擬面接と思ってカウンセリング&情報収集) - 職務経歴書を完成(完全版を作成)
- 企業・業界分析(合致する志望群をイメージ)
- 大手エージェントに登録(求人収集)
- 応募先選定(第一志望→第二志望→第三志望)
- 面接(互いの相性チェック)
- 日程調整(志望度の高い企業順に内定をもらうコツ)
- 意思決定(自己分析と照らし合わせる)
後はSTEP6〜10までを回すだけでOK!
この順番通りに進むと無駄な行動が減ります。
これがあなたのコンパスになります。
STEP1 自己分析|転職理由と価値観に“優先順位”をつける

自己分析を行うと「何を大切にして生きているのか?」「働くことで、得たいものはなにか?」といった本質的に求めるものが明確になります。
その結果、自分に合った会社に必要な条件が整理され、転職エージェントにとっても適切な提案を行うための重要な材料になります。
さらに、自己分析を通じて自分の強みや弱みを棚卸しすることで、職務経歴書の作成や面接対策にも繋がります。
特に「価値観の棚卸し」は、エージェントが直接サポートしづらい領域だからこそ、時間をかけて取り組むことが大切。
進め方としては、友人や同僚に協力してもらうのも効果的ですし、ココナラなどで提供されている有償のキャリアカウンセリングを利用するのも一案です。
こうしたサポートを活用しながら、自分の価値観を客観的に整理しておけば、エージェントとの面談でもブレない姿勢で臨むことができます。
- 自己分析で「価値観・強み・弱み」を明確化し、転職活動の土台をつくる
- 価値観の棚卸しはエージェントが手助けしにくい領域のため、自分で丁寧に行うことが重要
- 友人・同僚の協力や、有償のキャリアカウンセリングを活用し、客観的に整理するのがおすすめ
■自己分析で棚卸しすべきポイント(転職動機を因数分解して整理)
- 転職動機の洗い出し
①現職で満たされない点(事実)
②将来どう在りたいか(志向)
③転職で何を得たいか(目的)
例)①成長実感が乏しい②裁量を持ち自走したい③意思決定できる環境でスキルを高めたい - 合わなかった環境を要素分解
なぜ「合わなかった」のか?エピソードを思い出しつつ、要素分解する。
例:意思決定の遅さ/定量評価の弱さでモチベーション低下など - 強みの分析(手がかりは他者評価)
上司・同僚から言われた「頼まれがち」「任されがち」を思い出す。 - 働きやすさの条件を整理
例:裁量・専門性・報酬、または働き方・文化・評価軸。具体的なチャートを作成し、順位を必ずつける(詳しくはこちらから)
自己分析が必要な理由は「転職活動の羅針盤」になるから

選考が進む会社ほど魅力的に見えてしまったり、高年収のオファーについ心が揺れてしまうことはよくあります。
しかし、そうした目先のメリットだけで転職先を決めてしまうと、入社後に「自分には合わなかった…」と早期離職につながるリスクがあります。
だからこそ、転職活動を始める前にしっかりと「自己分析」を行うことが欠かせません。
あらかじめ自分の価値観や優先順位を整理し、判断の基準表をアウトプットしておくことで、応募先企業の選定や内定承諾の際にぶれずに判断できます。

STEP2 職務経歴の棚卸し|事実→解釈→価値で並べ替える

STEP1では自己分析を行い、自分のキャリア観や、仕事で大切にしてきた価値観・取り組みを棚卸ししました。
次のステップでは、その内容をさらに深掘りし、複数のエピソードを振り返って職務経歴書という形に落とし込んでいきます。
目指すのは、面接の場で「あなたがどのような指針をもって行動する人なのか」「その姿勢が職務上でどう表れてきたのか」を、多角的なエピソードから伝えられる状態にすることです。
- 自己分析(STEP1)の結果を土台に職務経歴を棚卸し
キャリア観や価値観、取り組み姿勢を棚卸しした内容をベースに進める。 - 複数のエピソードを振り返って職務経歴書に落とし込む
事実を整理し、行動や成果が伝わる形に記録する。 - 面接で「人となりと行動指針」を多角的に示せるようにする
単なる実績の羅列ではなく、価値観や行動原則が成果にどう表れたかを語れる準備を整える。
■職務経歴で棚卸しするポイント5選(自己分析をもとに数字や他者評価で表現)

- 事実(何をした) → 解釈(なぜそうした) → 価値(どう良くなった)の順でまとめる
- 成果は数字か事実で締める
(例:CVR+18%、工数-30%、離職率-5pt、品質欠陥-40% など) - チームへの波及も価値
仕組み化、ドキュメント、再現できるプロセスは評価されやすい - 他者評価も記載する
表彰、逆指名、部門横断での起用をひと言添えると説得力が上がる。 - 未達や失敗も因果で整理
(前提の読み違い → 検証不足 → 次回こう直した)
職務経歴書の完成度は「タタキ台」でOK

- ①保有スキル:
なぜそのスキルを身に着けたのか?を自分の言葉で語れるように思い出しておくのがベスト。(ここが自己分析にもつながってくる場所です) - ②職務経歴 :
事実を記載することはもちろん「与えられた役割」に対して、自分らしさを発揮しどのように貢献したのか?を数字で記載することを意識して。まずは書き出すことをイメージ
(一旦職務経歴に書き起こして、情報量が多くなりそうなら、職務要約や自己PRの方に移動することも検討) - ③職務要約 :
②で記載した職務経歴から見えてくる「自分らしさ」そして「何をどのように取組み、どんな結果が得られたのか」を数字を交えて記載する。 - ④自己PR :
会社ごとにリバイスしていく箇所のためざっくりでOK。
どんなエピソードを語りたいか?という鉄板エピソードをいくつか用意できるように、3年就業したら1エピソードを目安に増やしていってみて。
この順番だと、「何を大事にして、どのような結果が出せたのか?」とか「仕事への取り組み方」について書きやすいはず!
はじめから完璧な職務経歴書を記載する必要はありません。
ここでは、次のSTEP3「中小エージェントとの壁打ち」のために、効率的にカウンセリングが進められるよう自分の言葉で自分のキャリア感を語ることができればOK。
そして、各種エピソードをいつでも思い出せるように用意しておくことで、転職エージェントからの書類添削もサクサク進みます。

STEP3 中小エージェント登録|職務経歴の壁打ち&完成。求人情報を仕入れよう!

職務経歴書のドラフトが完成したら、いよいよ転職エージェントとの面談。
でも、大手エージェントに登録するのはまだ時期尚早。なぜなら、多くの場合中小エージェントのほうが職務経歴書の添削に力を入れる傾向が多く、より親身にフィードバックをもらえるからです。
また、中小エージェントに会う際は「模擬面接のつもり」で臨むのがおすすめ。
事前に職務経歴書をある程度仕上げておき、限られた面談時間では方向性の確認や、人と対面するからこそ得られる気づきに集中しましょう。
事前準備は自分で、面談は壁打ちや軌道修正に活用するという姿勢が、効率的に転職活動を進めるコツです。
- 職務経歴書の完成前は大手より中小エージェントを活用
中小エージェントの方が添削に力を入れており、親身なフィードバックが得やすい。 - 面談は模擬面接として活用
自作の職務経歴書をエージェント相手に分かりやすく説明すると、面接練習になる。
要約→深掘り→弱点指摘までしてもらう。 - 限られた時間は「方向性確認」と「対面だからこそ得られる気づき」に集中
準備は自分で行い、面談では壁打ちや軌道修正に注力する。
■中小エージェントの選別ポイント|“深掘りカウンセリング”と“裏情報”にどれだけ精通しているかをチェック!
実は一口に「中小の転職エージェント」といっても、その実態は実にさまざまです。
たとえば、自社の紹介先で決定させることを第一優先に考える、営利色の強いエージェントもいれば、企業と求職者の双方にとって本当に良いマッチングを追求している、誠実なエージェントも存在します。
つまり、「中小=親身で丁寧」と一括りに捉えるのではなく、中身で見極めることがとても大切なのです。
ここでは、そうした中小エージェントの違いを比較するために、見極めポイントや注意点について詳しく解説していきます。
良い中小エージェントを見極めるポイント
- 求人票にない情報を教えてくれる
(社風、評価制度の実像、面接官の傾向、書類選考の落選理由)を話せる - キャリアカウンセリングから、自分の魅力を引き出してくれる
(カウンセラーとの相性は成果に直結します) - 業界特性や、企業カルチャーについて知っている
エージェント次第ですが、業界特性や企業カルチャーに詳しい人も。
そんなエージェントに会えたら、ぜひ確認してみよう
中小エージェントは、2〜3社登録で”求人数を担保”&”さらに深堀り!”
優良な中小エージェントは、求職者サービスに手厚いので1社でも十分と思われがちです。
ただ多角的な面から「自分の強み」を理解するためにも、複数社とカウンセリングすることをおすすめします。
また、中小エージェントの特徴としてマッチングの精度が高い一方で求人数が少ないというデメリットもあります。
結論、中小エージェントは2~3社程度と付き合うと自分の強みが多角的に分かるのと、求人数を担保できますよ。
おすすめエージェントは以下から確認してね!

STEP4 職務経歴書の完成|フル→応募版→ハイライト

狙い: 伝える順番を「採用視点」に最適化。
中小エージェントのカウンセリングが2〜3社終わった頃には、「他者から見た自分の強み」が見えるはず。
その内容を元に、職務経歴書を完成させます。
ここで作成するのは、フルサイズ版の職務経歴書。
目的は、今後選定する応募先企業に合わせて、エピソードを一から思い出す必要がないようにしておくこと。フル版をベースにすれば、職務内容や自己PRを「削って整える」だけで、すぐに提出できる状態を作れます。
これまでのキャリアを棚卸ししたうえで転職時には、付け加えて定期的に見直す。
そうすることで、自分自身がどんな価値観を持ち、どう仕事に取り組んできたのかを振り返るきっかけにもなります。
- 中小エージェントのカウンセリングを通じて「他者から見た自分の強み」が把握できる
- フルサイズ版の職務経歴書を完成させておくことで、応募先に合わせた修正が効率的に行える
- フルサイズ版を定期的に見直すことで、自分の価値観や仕事への姿勢を振り返る機会になる
■職務経歴書(フルサイズ版)作成のポイント

フルサイズの職務経歴書作成のポイントは以下の5つ。
- ①保有スキル:
まずは、その資格を取得した理由や背景を振り返って棚卸ししましょう。
あわせて、その資格やスキルを現職でどのように活かしてきたのか、実際のエピソードも思い出して整理しておくと、より説得力のある自己PRにつながります。 - ②職務経歴:
事実の羅列ではなく、自ら主体的に取り組んだ業務についてエピソードベースで語れるようにします。目安は就職3年毎に3つ以上のエピソードを語れるようにします。 - ③職務要約:
全体的な実績と②の職務経歴で思い出したエピソードの中から、一番自分自身が活躍できたと思うエピソードについて「読み手」がもっと知りたい!と思える程度に触れておきます。 - ④自己PR:
自己PR欄は、企業ごとに都度記載を変更する重要な部分。
ここでのエピソードを複数語れるように、①保有スキルや②職務経歴で様々な業務を「どのように取り組んだのか?」そして「この実績から御社に貢献できる」という内容に繋げられるように記載します。
- 30代マネジメント層:
フルサイズ版は6枚 → 応募版3–4枚強に削る。
組織成果を先頭に、マネジメントの規模・組織体制・KPI設計方法・評価運用を明記する。 - 20代メンバー層:
フルサイズ版は最大4枚 → 応募版2枚前後に削る。
自分の役割の明確化と、担当範囲の深さを丁寧に。

STEP5 業界・企業分析|“性質×業界課題”の相性を見る

狙い: 文化や評価軸が自分に合うかを見極める。
STEP1(自己分析)やSTEP3(中小エージェントとのキャリアカウンセリング)で整理した自分の価値観をもとに、業界特性・企業特性とのマッチングを確認するために「業界分析」と「企業分析」を行います。
基本的には、まず業界分析→企業分析の順で進めるのが理想。
ただし時間が限られている場合は、最低限「企業分析」だけでも対応可能です。
業界分析はしっかり行おう!
■業界/企業分析で確認するポイント4つは「事業フェーズ」「収益構造」「評価軸」「働き方」
業界や企業を理解するためには、以下の4つの視点から情報を整理していくことが有効です。
- 事業フェーズ(今は黎明期か、成長期か、成熟期か?)
- 収益構造(誰に対して、どんな商品・サービスを提供しているのか?)
- 評価軸(成果を重視するのか、プロセス遵守を重視するのか?)
- 働き方の特徴(スピード感が求められるのか、品質・安全が重視されるのか?)
たとえば、誰を相手に何を売っているのかによって、ビジネスモデルや収益構造が見えてきます。その結果として、「この業界は価格競争が激しそうだな」「長期的な信頼構築が重視される業界なんだな」といった、業界特有の性質も見えてきます。
こうした視点から情報を読み解いていくことで、企業の特徴や、自分との相性がよりクリアになります。
例:スマホゲーム業界とインフラ業界の業界分析
たとえばスマホゲーム業界は、まだまだ新しいサービスや技術が生まれ続けているため、黎明期から成長期にある産業といえます。
収益構造はヒットタイトルや課金型コンテンツへの依存度が高く、当たり外れによる波が大きいのが特徴。そのため、常にスピード感とクリエイティブ性が求められ、短期間で成果を出せる人材が評価されやすい傾向にあります。評価制度も「成果主義」が中心で、売上やヒット実績がそのまま昇進・報酬に直結するケースが多いです。
結果として、働き方はプロジェクト進行に合わせて長時間労働になりやすいですが、「好きで続けられる人」にとっては大きな成長やキャリアアップのチャンスが広がる環境です。
一方でインフラ業界は、すでに社会に欠かせない仕組みを担っているため、成熟産業に分類されます。
収益構造は利用料金や契約料などによる安定した継続収入型で、景気変動に左右されにくいのが強みです。人材の評価制度は「安全性を守る」「手順を遵守する」といったプロセスや協調性の重視が中心で、短期的な成果よりも長期的な安定運用が評価につながります。
働き方は、各部署をまたいで丁寧に確認しながら進める堅実かつ安定的なスタイルが求められ、小さなミスも許されない責任感が伴います。その一方で、景気に左右されにくいため、比較的ワークライフバランスを取りやすい面もあります。
このように、業界ごとに求められるスピードや働き方、向いている人のタイプは大きく違います。
だからこそ「どんな業界で働きたいのか」「その中でなぜこの会社を選ぶのか」「その会社でなぜ自分が力を発揮できるのか」をはっきりさせておくことが大切です。


STEP6 大手エージェント登録|求人数を広げる

狙い: 母集団を増やし、情報の抜け漏れを潰す。
中小エージェントは親身で丁寧なサポートが魅力ですが、一方で求人数の少なさが弱点です。そのため、選択肢を広げる目的で大手エージェントに登録しておき、求人数の網羅性を担保します。
ただし注意点として、大手エージェントは求職者フォローが手薄になりやすいという側面があります。
たとえば、中小と大手の両方で同じ求人が扱われている場合、なんとなく「大手のほうが安心」と思って大手経由で応募すると、ほとんどフォローを受けられないまま進んでしまうこともあります(特にメンバークラスでは起こりやすい)。
だからこそ、信頼できる中小エージェントを第一候補として活用しつつ、大手は“求人数を広げる補助”として使うのがおすすめです。
中小を通じて情報収集や面接対策をしっかり行えば、安心して転職活動を進められるでしょう。
- 中小エージェントはサポートが丁寧で情報収集や面接対策に強いが、求人数が少ないという弱点がある。
- 大手エージェントは求人数が多く選択肢を広げられる一方、求職者フォローは手薄になりやすい(特にメンバー層)。
- 活用の基本方針は「中小を第一候補にしつつ、大手は補助的に登録」してバランスを取ることが望ましい。
STEP7 応募先の一次選定|第一志望群・第二志望群を仮置き
狙い: 弾切れと過多応募を同時に防ぐ。
転職活動でよくある失敗のひとつが、志望度に関係なく何十社も一度に応募してしまい、対応しきれなくなることです。
数をこなしても、各社ごとに十分な対策ができなければ、結局良い結果にはつながりません。
エージェントからは多くの応募を勧められることもありますが、そこに流されるのは危険です。
大切なのは、STEP1(自己分析)やSTEP5(業界/企業分析)で整理した自分の軸をもとに、応募先を整理すること。
志望度や適合度を基準に、第一志望群から第三志望群まで大まかに振り分けておくことで、効率的かつ戦略的に進められます。
- 志望度に関係なく大量応募すると準備が追いつかず、結果につながりにくい
- エージェントに流されず、自分の軸(自己分析・業界分析)を基準に応募先を整理することが重要
- 第一志望群~第三志望群まで大まかに振り分けることで、効率的かつ戦略的に活動できる
STEP7.5 応募の順番設計|基本は中小の壁打ちで安心。心配なら、肩慣らし→本命で成功率を上げる

狙い: 本命で「仕上がった自分」を出す。
中小エージェントでのキャリアカウンセリングを通じて、ある程度面接には慣れてきたと思います。それでも「まだ不安が残る」という方もいるでしょう。
そんなときは、応募先企業の順番を戦略的に設計することがおすすめです。
STEP6(応募先の一次選定)で整理した第三志望群の中から、面接に進めそうな企業を5社ほど受けてみましょう。
これを「肩慣らし」として経験しておけば、本命企業の面接で自分の力を出しやすくなります。
もちろん、その際にも企業研究は欠かせません。
書類選考を突破しなければ面接には進めないので、企業分析を行ったうえで「自分の評価ポイントはどこにあるのか」を予測し、それに合わせて職務経歴書を修正していきましょう。
- 面接に不安が残る場合は、応募順を戦略的に設計することが大切
- 第三志望群から約5社を「肩慣らし」として受け、本命に備える
- 企業研究を行い、自分の評価ポイントを想定して職務経歴書を修正することで、書類選考突破と面接対策につながる
■応募順の設計ポイント3つ
- 面接に進むことを前提に
中小エージェントのカウンセリングで面接は安心して臨めるはず。それでも不安なら、第三志望群 → 第一志望群の順でウォームアップ。 - 大手と中小のエージェントで求人が被ったら「中小エージェント」から応募する
求人を集めたのち、中小・大手エージェントの足並みを合わせ一斉に応募します。
重複応募や日程バッティングを防ぐ効果もあります。 - 面接の同時進行は常時3~5社が経験上の上限。
STEP7までで集めた求人をベースに、第一志望軍から思考と準備が追いつく範囲に絞って応募する。目安は書類選考10社中3社が面接に進むようイメージ。
STEP8 面接|強みと弱みを“因果”で語り、会話で相性をチェックする

狙い:スキルと人となり(カルチャーフィット)の両面でアピール。
いよいよ面接に臨むときに立ち返ってほしいのが、STEP1で整理した「自己分析」です。
面接官が本当に確認したいのは、「あなたのスキルセット」だけではなく「仕事に向き合う姿勢(マインド)」が、自社と合っているかどうかだからです。
自己分析を丁寧に行い、職務経歴書の内容を棚卸ししておけば、想定外の質問にもスムーズに答えられるようになります。
さらに、中小エージェントとのキャリアカウンセリングを経験しておけば、自分の強みや弱み、そして克服方法を簡潔に話せるようになり、面接で大きくつまずく心配は少なくなるでしょう。
とはいえ、面接の場では緊張してしまうことも珍しくありません。
そんなときこそ、事前に押さえるべきポイントを整理し、意識して臨むことが大切です。
- 面接ではSTEP1で整理した「自己分析」に立ち返ることが重要
理由:面接官は「スキル」と「仕事への姿勢」が企業のニーズに合っているかを確認しているから。 - 自己分析と職務経歴書の棚卸しができていれば質問に対応しやすい
準備が整っていれば想定外の質問にも即答できる。 - 中小エージェントとのカウンセリングで強み・弱みを整理しておく
簡潔に自分を説明でき、面接で大きな失敗を避けられる。
また、面接時にはあなた自身のアピールもそうですが企業との相性もチェックする余裕も持ちたいところ。
こんなときに活躍するのが「中小エージェント」を通じて複数回”キャリアカウンセリング”を重ねておくこと。
実は、エージェントによりカウンセラーの質も様々で、得意不得意も各エージェントによって分かれている傾向があります。
だからこそ、キャリアカウンセリングを面接の予行演習と捉えて、以下のポイントを気にしながら相手が何を知りたがっているのかに思いを巡らせながら質疑応答してみてください。
キャリアカウンセリングを面接の予行演習とする前に押さえておくポイント
基本的にキャリアカウンセラーと面接官から聞かれる内容はほぼ同じ。
以下の3点を意識して、カウンセラーからの質問に答えてください。
- よく聞かれるのは「どう仕事に取り組み、どんな結果を出したか」「弱みをどう認識し、どう対策しているか」。
- 強みは「課題設定 → 打ち手 → 結果 → 学び」の因果で語り、数字・事実を必ず添える。
- 弱みは「事実 → 影響 → 対策」。自責で語り、再発予防策を示す。
また、面接の予行演習とする際には、カウンセラーの様子を見ながら以下の3点に思いを馳せてみます。
- キャリアのどの点を深堀りされたのか?を把握する
- 相手が話に飽きていないか?を見定める
- 相手は普段どんな生活をしていそうか?どんなことが好きそうか?を考える
特に、3番目の「相手が普段どんな生活をしていそうか?」を想像するという方法は、
一見すると「それがなぜ面接対策になるの?」と疑問に感じる方も多いかもしれません。
でも、実はこれには明確な理由があります。
それは、面接中に「この人、どんな日常を過ごしているんだろう?」と想像してみることで、面接官を“企業の代表”や“採用の壁”としてではなく、“ひとりの人間”として認識できるようになるからです。
面接が苦手と感じる方に共通しているのが、「面接官=自分をジャッジする怖い存在」と無意識に捉えてしまっていること。
まるで自分のすべてを評価されているような感覚になってしまい、緊張でうまく話せなくなることもありますよね。
でも、面接官は“裁判官”ではありません。
むしろ、将来あなたと一緒に働くかもしれない「同僚」や「上司」、つまり“仲間になるかもしれない存在”です。
たとえば、「この人は仕事終わりにどんなふうに過ごしているんだろう?」
「朝はカフェに寄ってから出勤するタイプかな?」
そんなふうに“生活感”をイメージすることで、相手との距離感がぐっと近づき、面接という場も少しずつ「対話」に感じられるようになります。
このちょっとした視点の切り替えが、面接の空気をガラッと変えることもあるんです!
緊張しすぎてしまう方には、特におすすめのマインドセットですよ。

STEP9 選考の足並みをそろえる|日程調整のコツ
狙い: 日程調整のために「内定が出ない」事態を避けるため、戦略的に選考を進める。
面接が始まったら気をつけてほしいのが「日程調整」です。
とあなどってはいけません。
選考日程調整は「超重要」ミスると内定喪失リスクも!

実は、あなたの人生を左右するかもしれない超重要イベントが「選考日程の調整」なんです。
理由は考えてみるとカンタン。
中途採用の内定は、「入社時期」「他候補者との比較」「人事異動」など、さまざまな状況に左右されます。
だから日程調整ひとつで、自分よりスキルの高い候補者に先に内定が出てしまうことがあります。逆に自分のほうが実力で勝っていたとしても、調整がスムーズに進まないことで企業に「志望度が低い」と受け取られ内定を逃してしまうことも。
結果として、本来なら自分が幸せに働けるはずの内定先が、募集終了してしまうケースは珍しくありません。
そういった事情があり「自分が幸せになれる内定先」の求人募集が終了してしまうことが、よくあるんです。
また、候補者としても「日程調整」は超重要なポイント。
もし第三志望の会社から内定を得られたとしても、第二・第一志望の会社の選考が進んでいれば、諦めきれないこともありますよね?
だからこそ、日程調整は転職エージェントと密に連携しながら、戦略的に進めることが不可欠です。
スケジュールを制することが、納得できる内定につながります。
日程調整のポイント
- 書類選考段階から、日程調整は始まっている。
一度に10社〜20社応募するのも、これが理由。
一度に応募する上限も、信頼できるエージェントと相談しよう。 - 日程調整はエージェント経由が基本
理由は簡潔・誠実に(社内都合/他社選考の進捗は抽象度高めに伝える) - 面接日程は本命企業3社の最終面接が同じ週〜翌週に集まるよう逆算して調整する。
STEP10 内定後の意思決定|最初の自己分析に戻って判断

狙い: 選考の進捗に左右されない、長期的目線(自分軸)で選ぶ。
晴れて内定を獲得した後、どの会社を選ぶかが今後のキャリアや人生を大きく左右します。
よくある失敗が、「年収や役職といった高待遇」だけを基準に選んでしまうこと。
結果として、本来転職で実現したかった自分自身の価値観を無視した意思決定となり、早期離職につながってしまうケースが少なくありません。
だからこそ、立ち返ってほしいのがSTEP1(自己分析)で洗い出した価値観。
「何を大切にしたいのか」「どこまでなら妥協できるのか」といった優先順位を軸に、内定先の条件を冷静にチェックしていきましょう。
また、内定承諾前に確認し忘れていたことがあれば、遠慮せず企業に内定後の面談を依頼して情報を補うことも可能です。疑問や不安を解消してから判断すれば、納得感を持って次のキャリアへ進めるはずです。
内定先決定のポイント
- 内定比較は条件(報酬・福利厚生)/成長(役割・裁量・学習機会)/カルチャー(評価軸・意思決定)の三面から。
- 先に進んだ会社ほど良く見えるのは人の常。
STEP1の優先順位に立ち返って是々非々で判断。 - 入社後まで想像し、入社後90日に仲間となっているイメージが描けるかを最後の基準に。

まとめ|転職活動の進め方「基本の型」を押さえて、ラクな転職活動をしよう!

転職は「軸を定め、順番を守る」だけで成功率が大きく変わります。
迷ったらSTEP1の優先順位へ。そこに「あなたの正解」があります。
- 自己分析(軸を定める)
- 職務経歴書の作成(タタキでOK)
- 中小エージェントに登録
(模擬面接と思ってカウンセリング&情報収集) - 職務経歴書のリバイス(完全版を作成)
- 企業・業界分析(合致する志望群をイメージ)
- 大手エージェントに登録(求人収集)
- 応募先選定(第一志望→第二志望→第三志望)
- 面接(互いの相性チェック)
- 日程調整(志望度の高い企業順に内定をもらうコツ)
- 意思決定(自己分析と照らし合わせる)
この順番で進めることで、ぶれない転職を進めることができますよ!
現職で就業しながらの転職活動は、大変だからこそ「キホンを徹底」していきましょう。