「なぜ面接で毎回落ちてしまうのだろう…」
「経歴はきちんと職務経歴書に書いているのに、面接で伝わらないのはなぜ?」
「面接で、徐々に雲行きが怪しい雰囲気になるのはなぜ…?」
このような悩みを抱える方は多いです。
実は、面接で不合格になる人の多くは 「面接はスキルの確認作業」だと誤解しているのかもしれません。
本記事では、元転職エージェントの経験をもとに、面接の本質を「営業活動」という視点から解説! 落ちてしまう人が改善すべきポイントを紹介します。
これから順を追って解説していくので、面接が苦手と思う方はこの記事を読んでくださいね。
面接で落ちる人の特徴5つ

まず、面接で落ちやすい人には以下の特徴があるので、自分が当てはまる箇所がないか確認してください。
- 職務経歴を一方的に説明して終わってしまう
- 志望動機や自己PRが抽象的で説得力に欠ける
- 企業のニーズや課題を把握していない
- 面接官の質問に「準備した答え」しか返せない
- 話が長くまとまりがなく、結論が分かりにくい
これらの共通点にあるのは「相手目線が欠けていること」です。
面接でよくある失敗パターンを、「冷蔵庫の購入」という身近な例で解説しますね。
例え話でわかる!面接が落ちる人の特徴
実は、「冷蔵庫」の購入にまつわる販売員との会話で感じること全てが、面接で「面接官」が感じていることなんです。
ぜひ、その感覚をこの例え話で理解していってくださいね。
- 家族構成(企業規模):
4人(夫婦共働き+3歳&6歳の子ども) - 生活スタイル(働き方):
共働きなので週末にまとめて作り置きをする - ニーズ(必須スキル):
これから子どもが食べ盛りになるため、「冷凍庫が大きい冷蔵庫」が欲しい - ※予算(年収要件)は、今回の例では割愛します
この前提で家電量販店に行き、販売員から声をかけられました。
面接で落ちる!事例解説①弾丸トークすぎる販売員

(※ダメな例なので、適当に読み飛ばしてね。)
でしたら、ぜひこちらの最新型冷蔵庫をご覧ください!
このモデルは、西芝オリジナルの特殊技術『ベジタブル』を搭載しています。
名前の通り、野菜や果物の鮮度を長持ちさせることに特化した機能で、スーパーで買ったばかりのシャキシャキ感や甘みを、長期間しっかり保ってくれるんです。
特にまとめ買いをされる方や、健……(中略)……部屋にも違和感なく溶け込みます。
家具や家電の色合いをそろえたい方にもご満足いただけると思います。使い勝手の面でも工夫されていて……………(長い話が続く)
この提案で、あなたは購入するでしょうか?
どれだけこの冷蔵庫が優れていても、おそらく「購入しない」はずです。
それはセールスマンが「自分の困りごと」や「商品に求めるニーズ」に耳を傾けずに、「売りたい商品を売りつけている」感じが出てるから。
相手のニーズを聞いていない。一方的に提案しており「会話が噛み合わない」のでコミュニケーションスキル不足で落選するケース。
■よくある面接NGシーン
- 職務経歴を一方的に説明して終わってしまう
- 企業のニーズや課題を把握しておらず、的はずれな提案をしている
- 質問に対する回答をしてくれない。
- 回答に不要な情報が多くコミュニケーションコストがかかる
面接で落ちる!事例解説②PRが抽象的すぎる販売員

では、傾聴力が高く自分のニーズが「冷凍庫」にあることを聞いてくれた販売員だとして、以下の提案だったら、どうでしょう?
(※ダメな例なので、適当に読み飛ばしてね)
まず、とても最新型なので安心ですし、冷凍庫も大きくてお客様にご満足いただけると思います!
やっぱり冷蔵庫って毎日の生活に欠かせないものじゃないですか。
そういう意味でも、この冷蔵庫は本当に役立つ存在になるんですよ。
とにかく“すごくおすすめできる冷蔵庫”なんです!
だから、ぜひ検討していただければと思います!
冷凍庫について触れてはいるものの、これでは買ってくれません。…
- 「なぜその冷凍庫が良いのか」が説明されていない
- 「他の製品とどう違うのか」具体性がない
- 「安心」「おすすめ」といった抽象的な言葉ばかり
これでは、聞き手の心に響きません。
きっとあなたも「ちょっと検討はやめておこうかな」と思うはずです。
どれだけ「冷蔵庫」自体の性能が高かったとしても、どのように自分の生活に役立ちそうなのかという点について、具体的な話が出てこないので決め手にかけてしまいます。
面接でいうと、相手のニーズを拾うことができている一方で「なぜ役に立つのか」「どのように役に立つのか」をイメージさせることができない。
■よくある面接NGシーン
- 志望動機や自己PRが抽象的で説得力に欠ける
- 企業分析が甘く、具体的な活躍イメージをもたせられない
- 本当にスキルを持っているのか?という不安を抱えてしまう
面接で落ちる!事例解説③準備した答えしか返せない販売員

最後の販売員は、傾聴力が高く自分のニーズが「冷凍庫」にあることを聞き出してくれて、提案も真っ当なのに、なぜか信じられないタイプ。
あの…容量が従来のものより1.5倍あって、まとめ買いしても…たぶん余裕で入ります。
それと…作り置きされるってお話でしたよね?
普通は粗熱を取るのに時間がかかりますけど…この『急速冷凍』なら、熱いまま入れても5分で常温まで下げられるんです…。
えっと…だから、
その…容量も大きいし、時短にもなるので…
忙しいご家庭には…便利なんじゃないかなって思います…。
実はこの提案、内容自体はとても優れています。
- 「冷凍庫が大きい」というニーズをしっかり反映している
- 数字(容量1.5倍/5分で冷却)が入っていて、使い勝手もイメージできる
にもかかわらず、「なぜか信じられない」と感じてしまいます。その理由は…
- 発言がたどたどしく、「準備してきた答えを思い出しながら話している」ように聞こえる
- 相手の話に合わせて「台本どおりに答えているだけ」に見えてしまう
結果として、提案の中身が良くても「本当に自分のことを理解して勧めているのか?」「この冷蔵庫を買ってほしいから、話を合わせているだけなんじゃないか?」という余計な不信感を与えてしまうのです。
相手のニーズを聞いた上での提案をしており、数字が入って具体的な使い勝手がイメージできても、何かを思い出しながら回答しているような感じ。
「話を合わせている」感がいなめず、感情的に「なぜか信じられない」と感じてしまう
■よくある面接NGシーン
- 面接官の質問に答えるのでなく「準備した答え」を思い出すことに集中してしまう
- 「えっと…」が多く、挙動不審なやり取りになってしまう
- 自分のことなのに自信がなさそうな素振りがあり、経歴詐称を疑われてしまう
面接で落ちないために「基本的な営業力」を身に着けよう!

先程の冷蔵庫の販売員の例でも見たとおり、セールスとは「相手のニーズ」を掘り出して「ニーズを解決するために、〇〇という商品は、こんな事ができますよ!」と相手に納得してもらうことが本質。
転職活動も同じです。
あなたという“商品”を企業という“お客様”に提案し、採用という“契約”を取る活動とも言えます。
だからこそ、「私は営業マンだ」と思って取り組むことが、選考突破のカギになります。
という方に向けて、どのように練習したらよいか?やどんなマインドで望めばよいか?の中身まで全体を網羅して解説しますね!
営業活動ってそもそも何?キホンの3ステップを解説
「営業」と聞くと「押し売り」といったネガティブなイメージを持つ方も少なくありません。ですが、実際の営業はもっと戦略的で論理的な仕事です。
営業の基本的な流れは、主に以下の3ステップに分かれます:
- 顧客のニーズ(課題)を理解する
- そのニーズに合った商品・サービスを提案する
- 納得してもらい、契約に結びつける
そしてこの流れ、実は転職活動にもそのまま当てはまるんです。
- 企業の採用ニーズを理解する
(=企業分析&面接でのヒアリング) - ニーズに合った「能力」があることを示す
(=自己分析&面接でヒアリングしたことの答え) - 納得してもらい、内定に結びつける
(=自己分析&弱みと強みを納得してもらう)
以下で、具体的に解説していきますね。
具体例|転職活動で押さえたい営業力のキホン3つ

■企業分析
求人票や企業情報を読み込み、企業が求めている「役割」「経験」「スキル」をざっくり把握し、ニーズの仮定を立てる。
■面接
企業分析をベースとして、面接で「ニーズの仮定」があっているか?を確認していく。
■自己分析
求人票や企業情報から求められているスキルやニーズに対して、私ならどのように解決できるか?のエピソードを実績と共に思い出す。
■面接
エピソードを話す中で、その過程で何に気をつけてきたのか?困難を感じた場面について、どのように対応したのか?ということを説明する。
■面接
実績や強みをわかりやすく、自信をもって伝える。
(自分でやったことに、自信をもつ)
■自己分析
自分の弱みとなる部分や離職理由、転職理由などのネガティブ要素について、どのように解決するか?解決してきたかといった納得感のある説明を用意する。
営業活動で求められるアプローチと、転職活動で必要な動きが、驚くほど似ていることがわかるかと思います。
以下の記事は「職務経歴書」をどのように記載したら通過できるかか?についてポイントを押さえた記事ですが、面接も全く同じ。
文章ですら書き起こせない内容は、面接という「緊張する環境下」ではなおさら表現が難しい。。
だからこそ、まずは職務経歴書の書き方から学んでみてくださいね!
という方は、お待たせしました!
次の章では、こうした「営業視点」を実際の転職ステップにどう活かしていくのか、さらに深掘りして見ていきましょう。
自己分析| 自分を「商品」として見て提案資料を作成する

営業では、自社の商品を誰にどう届けるかが重要になります。
転職活動でも、あなた自身の経験・スキル・価値観を“商品”としてとらえると、とてもわかりやすくなりますよ!
- スキルや実績 → 商品のスペック
- 強みや得意分野 → 他社製品(他候補者)との違い
- 自己PR・志望動機 → 商品のキャッチコピー・売り文句
- 職務経歴書や履歴書 → 商品カタログや提案書
- 面接 → プレゼンの場
このようにある種「自分」という存在を「商品」として突き放して見てみる。
すると、「自分は、どんなお客様に買ってもらえる商品なのか?」「どうアピールすれば刺さるのか?」という視点が自然と出てきます。
事務スキルでも「アピールできる」スキルや実績になる!

例えば、自分の「商品スペック」になるスキルや実績。
華々しい数字として記載できればいいのですが、営業でもない限りなかなか数字で語ることは難しいですよね。それでも、探せば何かあるはず。
例えば、こんな内容も実績に加わります。
私がプロジェクトに参画する前、○○という課題がありました。
この点について上司や関係者に確認したところ、○○という理由から、これまで具体的な対策が講じられていないことがわかりました。
そこで私は、関係者に対して○○という働きかけを行い、事前の調整を通じて合意形成を図りました。その結果、課題に対する対応方針が固まり、実行に移すことができました。
この取り組みによって、課題解決前には○○時間かかっていた業務工数が○○時間にまで短縮され、部内全体の残業時間を○○%削減することに成功しました。
この成果が上司から高く評価され、現在は○○に関する対応について任命を受け、さらなる改善活動を推進しております。
サンプルの記載内容のため具体的な業務内容や、時間数は記載されてはいませんが
この内容だけで以下のことがわかります。
- 課題を発見した際には、上司に対して事前に確認・相談を行い、適切な報連相を実施できる
- 関係者に対して働きかけを行い、事前調整を通じて合意形成を図る人間力がある
- Before / After での変化を定量的に可視化し、具体的な成果として実績を提示できる
- 課題解決により、工数削減・残業時間削減などの成果を達成している
- 取り組みが上司から評価され、追加業務を任されるなど信頼を獲得している
- 主体性を持って業務に取り組み、周囲と連携しながら継続的に成果を出す姿勢がある
このエピソードを面接で語るために、職務経歴書を通じて「実績の概要」を表現するイメージです。
そのために必要なのは、「求人票」の内容を丁寧に読み解くこと。
何を強調し、何を削ぎ落とすべきか──その取捨選択が、採用担当者に刺さる面接となり、職務経歴書を作るカギになります。
それでは次に、いよいよ「求人票の読み解き」フェーズに進んでいきましょう!
企業分析|企業=お客様。ニーズを掴まなきゃ始まらない

営業マンが成果を上げるためには、相手のニーズや課題を深く理解することが不可欠です。
これは転職活動においても同様で、企業が抱える「課題」や「求める人物像」を正確に読み解くことが成功のカギとなります。
求人票の記載内容だけに頼らず、企業の公式サイト、ニュースリリース、IR資料、社員インタビューなど複数の情報源から、「なぜこのポジションが今、必要なのか?」を多角的に捉えてみましょう。
そのうえで、「御社が抱える〇〇という課題に対して、私の〇〇という経験・スキルが貢献できます」といった提案型の自己PRができると、採用担当者に刺さる可能性はぐっと高まります。
ケーススタディ|建設業界の会社で経理職のメンバーが6ヶ月後に欠員になる場合は、何をアピールすればいい?

仮に、応募者は建設業界での直接的な実務経験はないものの、会計事務所にて一般的な決算対応や固定資産管理、そしてリース契約に関する会計処理には主担当者として携わった経験があると想定します。
そんな場合に刺さる提案型の自己PRはこのようなイメージです。
これまで会計事務所において経理業務全般を担当しており、特に固定資産管理・決算対応に強みを持っています。
また、他業界にはなりますが、リース契約の処理にも主担当として携わってきた経験があり、特有の勘定科目や会計処理にも柔軟に対応可能です。
今回、6ヶ月後の欠員を見越したご募集と伺っておりますが、現在は現職中につき入社時期は未定です。ただし、過去の社内実績や周囲からの情報によれば、概ね3ヶ月以内での円満な退職・引き継ぎが可能と見込んでおります。
引き継ぎ期間が確保できるのであれば、現任者の方との連携を密に行いながら、業務の精度と継続性を確保しつつスムーズに業務へ移行できる体制づくりに貢献したいと考えております。
将来的には、これまでの経験を活かして業務効率化や後進の育成にも取り組み、経理部門の安定運営に幅広く寄与していきたいと考えております。
課題の仮説を立て、売り込むポイントを見つける

上記の募集背景を見て、まずは課題の仮説を立てていきます。
様々な想定ができますが、確実に押さえておきたいポイントは以下の2つ。
- 「6ヶ月後にメンバーが欠員になる」
ということは、今いる担当者の退職や異動が見えており、引き継ぎ期間を確保してスムーズに業務を移行させたいという意図があるはず。 - 建設業・リース業特有の専門知識をもっている人は転職市場にいるだろうか?
と考えて、転職エージェントに市場を確認したところあまり多くはないことがわかった。
だから自分は他候補者と比べて実務能力を武器にできるのではないか?
そのため、事業内容や企業のニーズを踏まえたうえで、自分の持っているスキルの中で、どの部分が特に企業に響くのかを検討した結果、以下のようなポイントが挙げられます。
- 現職は閑散期であり、過去の退職者からの話によれば3ヶ月以内に退職可能な見込みであること
- 現職は会計事務所であり、業務の一環としてリース業に携わった経験があることから、即戦力として活かせることができるのではないか?と考えたこと
このようにして、企業が抱える課題の中でも特にクリティカルなポイントを見極め、
「自分を採用すれば、どのようにその課題を解決できるのか?」をわかりやすく伝えることが重要です。
そのうえで、採用担当者に「この人に入社してほしい!」と思ってもらえるような構成に仕上げていきます。
これが、自己PRの方法です!
確認しておきたいポイント「面接で落ちる!事例解説③準備した答えしか返せない販売員」
いざ面接|自信をもってアピール&失敗から学んでいこう!フィードバックを素直に受け入れる姿勢が最後に笑える転職活動になる
これまで、自己分析を通じて「仕事」を通じて自分がどのような実績をつくってきたのか?そして企業分析を通じて「求人内容」から、どのような人材が求められているのか?を把握し、自分の中で価値貢献できる部分が何か?を落とし込んできました。
ここまできたら、後は自信をもって「自分がやってきた仕事」があなたにとって「どのように役に立つのか」を表現するだけ。
もしかすると、面接で緊張してしまい自分のパフォーマンスが100%発揮できないかもしれません。
でも、一度でうまくいく営業なんて、ほとんどありません。
提案を断られたら原因を分析し、改善して次に活かす。これが営業の基本です。
転職活動も同じ。
- 面接で落ちた理由は
→ 伝え方が一方的になっていないか?
→ 相手の前提と、自己の前提が揃っているか?
→ 相手に「話を合わせているだけ」という不安感を与える話し方ではないか? - なぜ面接で受かったのか
→ どの部分が評価されたのか?
→ 企業分析の仮定と合った部分、合わない部分は?
応募や面接を“こなす”だけで終わらせず、毎回フィードバックをもとに改善を重ねましょう。
すると、少しずつ企業分析力が向上し、職務経歴書や面接でアピールする内容の精度も上がっていきます。
まとめ|あなたも「営業マン」になってみよう
転職活動を「営業活動」として捉えると、戦い方が見えてきます。
- 自分の価値を見極め、実績を数字を用いて整理する
- 相手(企業)のニーズを理解する
- 自分の採用で「企業ニーズを叶えられる」ことが具体的にイメージできるよう提案する
あなたという商品には、必ず必要としてくれる企業があります。
その企業に、「この人がほしい」と思ってもらえるような提案(=アピール)をするために上記の3ポイントを押さえていきましょう。
営業マン視点を取り入れて、あなたの「内定」という契約を勝ち取りに行ってください!
転職で失敗する方を減らしたい!
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