「なんとなく今の仕事が合わない気がする」「毎朝、職場に向かうのが憂うつ…」
そんな気持ちから、転職を考え始めた方も多いと思います。
けれど、いざ転職活動を始めようとしても──
面接で志望動機がうまく話せない…
そんな壁にぶつかる方も少なくありません。
それは、「なぜ転職したいのか?」が自分の中で言語化されていないからです。
自己分析ができれば応募企業も絞れて、内定も得やすくなります!
今回は、転職活動の出発点とも言える「自己分析」について
なぜ「自己分析」をすると内定が得やすくなるのか?という理由とともに、自己分析の具体的なステップを解説します。
「自己分析」で得られるメリット
書類や面接で一貫性のあるアピールができる
そもそも「転職したい」と思ったのには、理由があるはず。
- 労力は変わらずに、今より高待遇の会社に移りたい
- 業務内容の幅を広げて、スキルを身に着けたい
- 人間関係が良くなく、仕事が楽しくない
どの理由でも、自己PRや志望動機に説得力を持たせるには、自分の転職理由を明確にしておく必要があります。
という流れが作れると、
採用担当者にも伝わりやすくなります。

例えば、経理業務でいうとこのようなイメージ
「現職では業務が縦割りで分担されており、私は主に時価評価に関わる決算業務のみを担当しています。
しかし、他の決算領域──たとえば未収・未払処理など、別の観点から決算全体を捉える経験を積みたいと考え、将来的には単体決算を網羅的に、ゆくゆくは連結決算にも携わりたいという希望を持っております。
そのため、業務時間外に自主的な学習を重ねるほか、担当者が不在の際には自ら手を挙げて業務を引き受けるなど、実務経験を積む努力を続けてまいりました。加えて、上司にも繰り返し配置転換の希望を伝えてきましたが、2年経った現在も状況は変わらず、現体制では異動の実現が難しいとの見解を受けております。
このような背景から、より広い決算業務の経験を積める環境を求めて、転職を決意いたしました。」
このように言語化できることで、自分自身の「軸」つまり
- 縦割りの業務だけでなく、全体を把握する業務に従事したいと考えていること
- 時間外でも勉強するほど、労力を惜しんでいないこと
- 配置転換の交渉を2年行ってきた実績から見える思いの強さ
これらが、第三者にも納得感が得られそうですよね。
自分に合う会社を選ぶ軸になる
転職はゴールではなく、あくまでスタート。
せっかく入社したのに「また違った…」とならないよう、自分が本当に大事にしたいことや、働き方の価値観を整理しておくことが大切です。
たとえば、大手企業と中小企業で求められる能力は異なります。
大手企業、特に上場企業の場合は、企業活動が法令や社内ルールによって厳しく管理されていることが多いです。
たとえば、「就業規則」「人事制度」「開示書類」など、形式や手順が明確に定められており、それに沿った運用が求められます。また、部署間の連携も複雑で、ひとつの意思決定を行うまでに複数部門との調整が必要になるケースが多くあります。
そのため、こうした企業で活躍するには、
- 決められたルールをきちんと守りながら
- 関係各所と円滑にコミュニケーションをとり
- 合意形成をリードできる力
が必要とされます。
言い換えれば、「調整力」や「社内政治力」が非常に重要なスキルとなります。

一方で、中小企業(特に非上場企業)では、法律上の縛りや社内ルールが比較的少なく、組織の意思決定もスピーディーです。事業戦略や組織体制も、経営者の意向によって柔軟に変化することが多く、いわゆる「トップダウン型」の経営スタイルが一般的です。
そのため、こうした環境で力を発揮するには、
- 経営層としっかり信頼関係を築くこと
- トップの意図をくみ取り、スピード感をもって動ける柔軟性
- 必要に応じて自ら仕組みを作っていける「自走力」
が求められます。
特に中小企業では、業務が役割に明確に分かれていないことも多いです。「自分の仕事はここまで」と区切るよりも、「必要とされることには、どんどん手を出していく」姿勢が重視される傾向にあります。
それが、企業選びの「軸」になります。
内定後の判断にも役立つ
複数社から内定が出たとき、「本当にここでいいのか?」と迷うこともあります。
そんなときこそ、最初に言語化した「自己分析」の一部である「転職の理由」に立ち返ることで、冷静に判断ができるようになります。
【実践編】自己分析(転職理由を言語化するステップ)
ここからは、最も取り掛かりやすい「自己分析」つまり「自分の転職理由」を言葉にしていくためのステップを紹介します。
ステップ①:「違和感」を書き出す
まずは、今の職場や仕事内容に感じている違和感・不満を紙に書き出してみましょう。
- 頑張っても「給与」として評価されない
- 意見を言いにくい雰囲気がある
- 成長できている実感がない
- 残業が常態化している
「なんとなく嫌だ」という感覚を、できるだけ具体的な言葉にしてみることが大切です。
たくさん書いていくうちに「違和感」の優先順位があることに気づくはず。
例えば、上の4つについて優先順位をつけてみると人によって違います。
- 優先順位③:頑張っても「給与」として評価されない
- 優先順位①:意見を言いにくい雰囲気がある
- 優先順位②:成長できている実感がない
- 優先順位④:残業が常態化している
このように、違和感をすべて書き出したら優先順位付けをしてみましょう。
優先順位は、ざっくりでもOK。
目的は「自分自身の価値観」を言語化していくこと。
ステップ②:理想の働き方を描いてみる
現職への不満の裏返しに、あなたが本当に望んでいる働き方が隠れているはずです。
たとえば…
- 頑張りを正当に評価してもらいたい
- フラットに意見交換できるチームで働きたい
- 新しい知識やスキルに挑戦できる環境がほしい
- ワークライフバランスを大切にしたい
「何を叶えたいのか」が見えてくると、求人選びも変わってきます。
注意が必要なのは、その全てが叶う転職先はないということ。
何に妥協ができて、絶対に妥協できないポイントはどこか…
そして、どのレベル感での働き方だったら60点を与えられるのかを、見つめ直します。
ステップ③:なぜ“転職”なのかを整理する
キャリアの悩みを解決する手段は、転職だけではありません。
社内異動、副業、働き方の調整など、他の選択肢もあります。
その中で「なぜ自分は転職を選ぶのか?」を考えることで、転職への覚悟や意志が明確になります。
たとえば…
- 異動では解決できない構造的な課題がある
- 今の業界では限界を感じている
- 違う環境で新たなスキルに挑戦したい
こうした背景があることで、面接でも説得力のある説明ができるようになります。

まとめ|言葉にできた瞬間、転職活動は前に進む
転職活動は、焦って始めると迷子になりがちです。
まずは立ち止まって、「自分はなぜ転職したいのか?」を言語化すること。
これが、書類作成にも、面接対策にも、企業選びにも効いてくる“一番最初の一歩”です。
誰かの言葉ではなく、自分の言葉で語れるようになったとき、転職活動はグッと前に進みますよ!
転職で失敗する方を減らしたい!
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